大阪桐蔭西谷監督に学ぶ ~高い志と謙虚な姿勢が粘りを生む~

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みなさんこんにちは。

もう9月ですね。いつの間にか夏が終わった気分です。

私個人が毎年感じるのは、甲子園が終わると、突然秋を感じます。毎年の楽しみが終わった寂しさと気候的にも涼しく感じるからでしょうか。

さて、今年の甲子園は大阪桐蔭が2年ぶり4回目の優勝で幕を閉じました。大阪人の私としてはとても嬉しいです。桐蔭の試合は、私は出来るだけライブで観るようにし、全試合ビデオ撮りしています。

大阪桐蔭は夏の甲子園8回目の出場で4回優勝ですから、優勝確率がなんと5割です!同じ夏の優勝4回のPLを上回るハイペースです。

このような大阪桐蔭の躍進を支えるのが、西谷浩一監督ですね。あの風貌から、私は「西谷親方」と言いたくなりますね(笑)。「このオッサン、怒ったら絶対怖いで」という雰囲気ですが、いつも物腰低く、謙虚で落ち着いた素振りは学ぶことが多いです。

私は以前このブログで記載させていただいたとおり、西谷監督のインタビューをビデオ撮りして何度も見返しております。

https://www.inoue-haruo.com/blog/i-blog/b05/343

  この夏も例に漏れず、西谷監督のインタビューを何度も見返して、同じ、組織をまとめる指揮官として、西谷監督の考え方や精神を自分に吹き込みました。

西谷監督のインタビューをちょっと要約して自分なりに解釈してみました。←アホと言わずに、読み流してやって下さい(笑)。西谷ファンとして少し調子に乗ってみました。

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一回戦

桐蔭7-6開星

「先発し、初回に4失点した田中投手について、点数はとられましたが、二年生ですし、いい勉強になったと思います。次は必ずやってくれると思います。守備のミスがあったりまだまだ課題だらけで、今すぐ帰って練習したいくらいの気持ちです。開星さんは若い監督さんが作ってこられた勢いのある一丸となったチームでしたが、それを正面から受け止めて粘り強く戦えて勝てたことが財産になりますが、課題だらけで次に向けて調整したいと思いますし、粘り強くできたことがよかった。」

←田中投手については、これだけ打たれたら、正直、色々と言いたくなるはずです。しかし、西谷監督は、公の場で、田中投手のことを「次は必ずやってくれるはず!」と言ってのけました。これって凄いことですね。田中投手はこれを意気に感じ、3回戦の八頭戦で3安打完封をやってのけたのは言うに及びません。また、「今すぐ帰って練習したいくらいです」との言葉は正直な西谷監督の気持ちでしょうし(たぶん、腸が煮えくり返りそうになっていたと思います)、本当に練習していたでしょう。おそらく気が済むまで練習したのだと思います。こういう危機感が大事ですし、大阪桐蔭の「目標設定」がどこにあるのかをよく物語る発言だと思います。本気で全国制覇を狙っているのですね。

 

二回戦

桐蔭5-3明徳義塾

「さすが明徳でした。馬淵監督にはいつも勉強させてもらっていますが、しぶといチームとやって勝てたこと財産になります。粘り強く戦えました。明徳の岸投手について、今までのデータなど経験をもとに、ワンチャンスしかないと思っていて、それが一回の攻撃時に来ましたが、うまくとらえることができました。 この夏も甲子園で2勝しましたが、このチームは、大阪大会から一戦一戦勉強して成長してきて、またこの甲子園来てから、一戦ごとの成長があって初めて次があります。毎日毎日しっかり練習して発展途上の段階ですので、次ができるということ、もう一試合できるということ、またつぎ勉強したいと思います。」

 ←天下の大阪の桐蔭の監督さんから、「勉強」「成長」ということばが、何度か自然に出てきたことに驚きました。この謙虚さって、西谷監督の心にしみついているのでしょうね。また、岸投手攻略について、初回に2点先制しましたが、これについて監督は、「ワンチャンスしかないと思っていた」とおっしゃいました。力の競った相手との試合では何度もチャンスがありません。一度もチャンスがない訳ではなく、必ずチャンスが訪れますが、それは一回切りで、それを逃すと勝つのは至難の業になります。これって野球に限らず人生でも同じことが言えると思います。チャンスを逃がして、後で「こうすればよかった、ああすれば良かった。」と嘆いたところで後の祭りです。「ワンチャンス」を生かすには、常にアンテナを張って準備をしておくことが大事です。有意注意の状態です。「ああなりたい、こうしたい」との強い思いや志が準備につながるのだと思います。

 

三回戦

桐蔭10-0八頭

「八頭戦でチームが成長した点について、課題がまだまだあって叱りながらやっているが、その中でも前向きに次に次にと強い気持ちでやってくれていることが財産。また次試合できること、全員で野球をやりたい。ベスト8は強い相手ばかりですが、粘り抜きたいと思います。」

←「粘り抜きたい」。これが大事なんでしょうね。

 

準々決勝

桐蔭5-2健康福祉大高崎

「後半勝負ということで粘り抜けたことが勝因です。相手の一番打者に3盗塁を決められたことについて、生意気ですが、対策さえしていれば盗塁は刺せると思っていました。それでもすごい走塁で、それが後半までもっていかれた原因だと思います。バッテリーがもっともっと勉強してああいうランナーを刺せるようにならないといけないと思います。こうやってたくさん走られても、ピッチャーの福島が粘り強く投げることができたことが勝因です。準決勝の敦賀気比さんには、しっかり組んで粘り抜きたい。」

←前の試合後のコメント通り、粘り抜いたんですね。相手の足の凄さを素直に認められる謙虚さ、懐の深さが素晴らしいですね。

 

準決勝

桐蔭15-9敦賀気比

「一回表に5点取られたことでバットマンの心に火がつきました。9イニング換算で考えていたので、ベンチでは9回裏までやっていいんだぞと言っていました。いくら打たれても粘り強くやるよう話していました。日本一ということ毎日子供たちと話をして夢みてきたので、日本一へ挑戦できる喜びを心にもってやりたい。」

←このあとのセカンド峯本選手のコメントも含めて、桐蔭が本気で全国制覇を狙っていて、志というか目指しているところが、他のチームと違うことがはっきり分かりました。敦賀さんも一生懸命にやって優勝を狙っていたと思いますが、桐蔭の場合、全国制覇への熱い思いが潜在意識に透徹するほど強いものだったのだと思います。勝負を分けたのはそこだったように思います。志の高さがいかに大切なのかを感じます。

 

決勝戦

桐蔭4-3三重

「なんとか粘りが出て、最後はエースに託そうと信じて投げさせてよかったです。粘り抜いて粘り抜いて戦うことができました。秋に大阪予選でコールド負けして、私がうまく導いてやれなかったなんですが、子供たちには夏に日本一になるために、毎日毎日叱って、生意気ですが、どこの学校よりも練習してきました。」

←桐蔭は、秋の大阪大会では、後に春の選抜で準優勝することになる履正社に1-13の5回コールド負けを喫しました。桐蔭履正社戦といえば、かつてのPL上宮戦、PL桐蔭戦と並ぶ、現代の大阪の高校野球のゴールデンカードです。そこでの5回コールド負けは、桐蔭に最高の危機感を与えたのではないでしょうか。その思いがあったからこそ、粘れたのだと思います。

 

西谷監督のお話しを聴いていると、とにかく粘りが大事で、監督の謙虚さがにじみ出ていました。

ちまたでは、「西谷監督は『粘り』ばっかり言うよね」という声が聞こえますが、それが物事の本質ではないでしょうか。あることを成し遂げた人や偉人のことばって、同じことの繰り返しが多いです。だけど、それが本質なんだと思います。西谷監督の場合、それが「粘り」なんでしょうね。

では、どうやったら粘れるのか?

私の考えでは、

 

高い志を持ち、謙虚でいることが粘りを生む

 

そう思っています。

私も高い志を持ち、謙虚な姿勢で粘って粘って粘り抜きたいと思います。

 

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大阪桐蔭西谷監督に学ぶ ~高い志と謙虚な姿勢が粘りを生む~