Q:契約書を作成する際、どのようなことを記載したらよいでしょうか。
また、記載内容や方法についての注意事項を教えてください。
A:契約書に必ず記載すべき事項としては、
①契約当事者
②代金額、支払時期、方法
③契約日
④商品やサービスの内容
が挙げられ、それ以外の事項は各契約ごとに記載事項が変わってくるといえます。
今回はこれらの共通事項について注意点を述べたいと思います。
まず、①の契約当事者は、意外と落とし穴です。例えば、会社と取引したのか会社の代表者個人と取引したのか判然とせず、どちらと認定されるか次第で法律関係が全く変わってくることがあります。
また、ありがちなのが親子でよく来店してくれるお得意様と契約する際、契約の相手が親なのか成人した子供さんなのかあいまいなまま「〇〇家」と契約した場合、裁判で、親と子供のどちらと契約したのか問題となることもあります。紛争が顕在化した時に、契約の相手方をあいまいにしていたことが仇となることがあるので注意してください。
③の契約日については、継続的契約なら契約期間も忘れずに記載しておきましょう。
また、④商品やサービスの内容、数量を明確に記載しておくことも大切です。例えば建築の請負契約なら、工事の範囲を明らかにしておくことで、施主から新たな要望があった場合、それが当初の契約の範囲内の工事なのか、追加工事として新たな契約と考えるのか判断ができるようになります。
最後に注意が必要なのは、契約書への当事者の記載は、活字にした記名方式ではなく、本人が自署した署名捺印方式にすべき点です。企業間取引であれば、会社のゴム印と押印で問題ないことが多いですが、従業員を含めた一般人が相手の場合は、必ず自署させるようにして下さい。活字にした記名の場合、裁判で、「この書面は会社が勝手に作ったもので、印鑑も会社が勝手に押した。自分は知らない。」と言われかねないからです。