松江ロータリークラブにて会員スピーチをしました

110312_1225

 本日、松江ロータリークラブにて会員スピーチをしました。
演題は、「スポーツにおける法律問題」で、スポーツ事故における責任等についてお話させていただきました。

 ロータリークラブの通常の活動は、お昼にまず30分食事などをして、後半30分は外部の方をお招きしたりクラブ内の会員による講演を聴くというもので、今回は私が会員スピーチをする番でした。

 これまで、私は、商工会議所などたくさん講演をさせていただいていますので、講演の時の過度な緊張はなくなりましたが、なぜかロータリクラブでは緊張してしまいます。ちなみに、松江にある4つのロータリークラブで30歳代の会員は私のみで、40歳代もポツポツといった感じです。人生の大先輩がたくさんおられる中でしゃべるのは、本当に大変です。

 今日も、スピーチの前半はかなり緊張してしまいました。なかなか舌が回りませんでしたが、演台からみてすぐ目の合う場所に座っておられた方が、ニコニコしながらずっと頷きながら聴いて下さっており、そのお姿をみて私は何とか落ち着くことができました。講演などで緊張している時は、自分のことを好意的に見て下さっている方を早くみつけて、その方のお顔をみて目を合わせながらしゃべると落ち着くようです。どこかでそんな話を聞いたことがありますが、今回私はそのやり方を実践し救われました。
 ちなみに、今回私を助けて下さった方は、慶應義塾大学経済学部の大先輩の方です。ここでも慶應義塾に助けていただきました。義塾の卒業生であることを誇りに思います。大学時代に愛校心がなくても、卒業後にこのようなことが積み重なって愛校心を持つようになるのかもしれません。

 ところで、今日のスピーチの中でご紹介した判例の一つに以下のものがありました。
京都地方裁判所の平成5年5月28日判決で、公立中学校の野球部のクラブ活動としての紅白戦の主審を、マスクをつけずにしていた中学生が、ファールチップのボールが眼に当たって負傷した事故について、裁判所は、「野球部を指導監督していた教諭らが、部員に対し、審判をする場合には必ずマスクを着用するよう指示する注意義務を怠った」過失があるとして、学校側の責任を認めました。

今回のスピーチのために準備をしている際、この判例を読みながらふと思い出したことがありました。司法試験に合格し、司法研修所で司法修習を受けていた時代のことです。研修所の授業で「健康管理」と称してソフトボール大会が開催されました。
 私は自分のクラスが試合に出ない時、他のクラスの試合の審判をしていました。その時、私は主審をしたのですが、マスクをつけずにジャッジをしてしまったのです。
 
 試合後に、ある教官から、「主審がマスクをつけずにジャッジし、ファールチップが顔面にあたった事件があって、主催した学校に責任が認められた判例がある。井上君の怪我にもつながるし、万一の場合、研修所にも責任が及ぶことがある。ちゃんとマスクをして主審をするように。」と注意を受けました。
 
 当時は、私は「そんなの大丈夫ですよ~」と軽く受け取っていましたが、この判例を読んで、また、色々なところで講演をしていて、自分の安全への意識の低さを感じ、自分は、以後そのあたりの意識をもっともっていく責務があると感じております。
 また、自分にとって先生にあたる方、先輩にあたる方々のご忠告やご教示は、謙虚に素直に受け止めて取り組んでいかなければならないと感じました。

松江ロータリークラブにて会員スピーチをしました