熊本出張 ~村松謙一先生の講演と懇親会~

 10月17日は、熊本市で、熊本県弁護士会主催の中小企業事業再生セミナー ~金融円滑化法終了に伴う事業再生の対応~ が開催され、私も出席しました。

 朝から車で広島まで行き、広島駅に車を置いて、新幹線で熊本に向かいました。
熊本へは、今年の9月に裁判で行って以来でした。

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早く着いたので、ランチは、9月の時と同じく、全日空ホテルでタイピーエンを食べました。今回は付け出しが茄子のお浸しになっていました。パターン化してきましたね(笑)。


さて、午後1時からは今回の目的である事業再生セミナーに出席しました。


基調講演は、東京の村松謙一弁護士先生の講演でした。

村松先生は、ご存じの方も多いと思いますが、2007年と2009年にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演された方です。事業再生の分野の第一人者です。

私は、もちろんテレビもみておりましたし、村松先生の著書もたくさん読んでおります。今年6月に出版させていただいた「中小企業事業再生の手引き」の原稿でも、村松先生の本を参考にして書かせていただきました。いわば、私は村松先生の熱狂的ファンです。

 先生は、「会社の救済=人生の救済」とおっしゃり、「弁護士は、物質的な救済だけじゃなく、「心のケア」をしないといけない。依頼者は、弁護士としてのテクニック以上に、心に寄り添ってもらいたいんだ。「命」を護るんだ。弁護士の「護」という漢字は護るということでしょ。人の生死を支えるんだよ。」などとおっしゃいました。
 さらに、「弁護士は企業の側について銀行と喧嘩するんじゃない。銀行と協力して、倒産という悪魔と戦うんだ。そして、窮地を救うのは「正直」であるということで、都合の悪いことを隠しては再生はならない。」とおっしゃいます。
 そして、依頼者であった社長の自殺や、長女さんが15歳でお亡くなりになった辛い経験、悲しみのことに触れられ、「苦しみは乗り越えようとしたって乗り越えられない。乗り越えようとすると傲慢さが出てくる。苦しみとともに歩いていけばいいんじゃないか。」とおっしゃいました。
 人間が死ぬ時に持っていけるものは何でしょう。お金ではありません。先生によると、それは「思い出」だそうです。たとえば、「あの旅館で楽しく過ごせた思い出」、それがあるから旅館を残す価値があるんだと。
 もうここまで来ると、私は涙せずにはいられませんでした。自分の経験と照らし合わせ、村松先生の心の話を聴いて感激せずにはいられませんでした。

 そういえば、昨年6月頃、私は大変落ち込んだ時期がありました。その頃助けてもらったのも、村松先生の本でした。「魂の会社再建」という本です。
その時の記述は以下の通りです。
 http://www.inoue-haruo.com/info/info_dsp.cgi?mode=0&no=00196


 
 そんなこんなで基調講演が終了し、シンポジウムの後半は熊本の弁護士さん、金融機関職員の方、再生支援協議会プロジェクトマネージャー、税理士の先生らによるパネルディスカッションでした。
 コーディネーターの先生が、私といつも全国キャラバンでご一緒させていただいている方で、これも本当に勉強になりました。
 その中でいくつか挙げると、
①事業再生においては、決算書からつかみとる能力が大事。弁護士は、経済や経理の面でもっと勉強して欲しい。村松先生も、「まずは決算書を読むように」とおっしゃっておりました。
 私は経済学部出身で、まがりなりにも、決算書は常に気にするようにしておりますので、自分の方向性が間違っていないことを再認識しました。
②ある金融機関が、経営に苦しむ社長さんに、顧問の弁護士さんに相談に行くよう勧めたところ、その社長さんは「顧問の弁護士には頼みたくない。なぜなら先生はうちの決算状況とか知らないので信頼できない」とおっしゃったそうです。普段から弁護士は、会社の財務状況を把握していて欲しいということだしょう。自分も「ハッ」としました。 こうして、無事にシンポジウムは終了しました。熊本に行った甲斐がありました。

夜は、村松先生を囲んで少人数での懇親会が行われ、私も参加させていただきました。

村松先生には、私が慶應大学の後輩であることや、島根というあまり聞き慣れないとこから来たことなどから、すぐに名前と顔を覚えていただきとても嬉しかったです。

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写真は、私の愛読書「魂の会社再建」です。今日みたいなこともあろうかと、熊本に持って行きました。

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村松先生にサインしていただきました(^v^)
私の宝物です。

「一日一生」というのは、夜寝てそのまま亡くなる方もおられます。朝、目が覚めて、この世に生を受けているということを実感し、生きていることに感謝しよう、という意味だそうです。

生きていることを当たり前ととらえるのではなく、とても尊いものだということです。

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これは何でしょう?もちろん馬刺しです。村松先生から、「書いてもいいよ」と御許可をいただいたのでちょっとネタ的に…
馬刺しが5切れ出されて、村松先生が4切れ食されました。村松先生が、私に最後の一切れを「食べなよ」と言って下さり、ありがたくいただくことになりました(^v^)
 ちなみに、醤油皿は一つしかありませんでした。私は村松先生のDNAがぎっしり詰まった醤油皿を使用させていただき、最後の一切れをいただいたあと、玉ねぎもその醤油皿で醤油がなくなるまでいただきました。私の年代ですと、中山美穂の使った醤油皿を使って食べるのより確実に嬉しかったです(笑)。

こうして充実した熊本出張が終わり、今日は朝から新幹線に乗り、広島まで戻りました。今日は午後2時半から、くにびきメッセにおいて、島根県主催「障がい者虐待防止・権利擁護研修会」において、私は、「障害者虐待防止・対応に関わる法の理解」と題して講演をする予定だったのです。広島からは、車の運転でした。「遅れたちゃいけん」と帰路を急ぎながらも(途中、頓原の蕎麦の一福でいっぷくしました)、無事に帰ってこれました。
 講演では、私が成年後見事件で対応している障がい者に対する経済的虐待の事例などを挙げたりしながら、お話させていただきました。福祉関係のお仕事をされている方々約250名が集まっておられたそうです。250名といえばかなりの人数ですが、今日は全然緊張しなかったです。村松先生のパワーをいただいたからでしょうか。
私の拙いお話を聴いていただいた250名の方々ありがとうございました。次回はさらに頑張ります!


 さて、来週は、東京に出張し、日弁連主催の「金融円滑化法出口戦略に関するシンポジウム」で、私はパネリストとして登壇いたします。村松先生のようなお話はできませんが、私も事業再生弁護士のはしくれとして、持っている力をぶつけてきたいと思います。

熊本出張 ~村松謙一先生の講演と懇親会~