謙虚にして驕らず

みなさんこんにちは。

ここのところ、県内外であちこち出かけることが多く、たくさんの方々に出会い、また、色々な場所に出掛け、異文化に触れることができました。通常の日々の生活だけでは得られないものに触れることで、人生や仕事に対する取り組みや考え方、さらにはビジネスのヒントになることもたくさん得られます。

「謙虚にして驕らず」という姿勢で、常にアンテナを張り巡らせながら素晴らしいもの、よいものに触れ、吸収することを忘れずにいたいと思います。 
 ところで、高校野球の世界では「野球留学」という言葉が使われるようになって久しいです。関西圏を中心に野球の腕に覚えのある中学生が地方の高校に進学し、甲子園を目指します。最近ではただ甲子園に出るだけでなく、優勝する学校もあるくらいです。昨年は、青森の光星学院(校名変更で現在は八戸学院光星)が、春夏の甲子園で連続で準優勝しました。
 
 このような野球留学生がたくさんいて、甲子園にもよく出場する学校は、進学先の地方では「外人部隊」と言われ揶揄されることもあります。
 
 しかし、進学する子供達からすると、自分達の求める環境や卒業後の進路がより近い学校を目指しただけです。自分のニーズに合った学校が、たまたま地元大阪にあるのか青森なのか高知なのかという違いだけです。私も大阪の出身ですが、私の求めるものや環境が島根にあったから島根に移住したのです。もしかして、これも「弁護士留学」と揶揄されるかもしれませんね(汗)。

 野球であれ、弁護士であれ、留学してきた人間からすると、移り住んだ地で、自分の可能性を最大限引き出そうとし、必死のパッチで頑張っています。そして、自分の可能性を試させてくれた地を第二の故郷として愛するようになるのです。私も大阪に帰るよりも、米子道を運転して蒜山SAから大山を眺めた時の方が「帰ってきたな」と落ち着きます。
 自分の力を発揮できそうな環境をみつけそこに飛び込んでいくことは、「ヨソモノ」からは勇気のいることですが、高校生でそのような決断をした彼らは凄いと思います。
 そしてまた、そのように大阪の中学生に魅力的に映る学校経営・野球部運営をしている青森や高知などの地方の学校の努力も凄いのです。

  これを事務所経営に置き換えると、我が事務所が、お客様からみて自分の求めるものを提供してくれる事務所として、全国から多数の方々に頼っていただけるような事務所をつくっていきたいと思います。「井上事務所に頼みたい!」と思っていただけるような価値を創造していけたらと思います。
 現在のところ、私のもとには、講演活動においては、山陰地方以外からも、岐阜県や新潟県など遠方の地域からお声掛けいただくことがあります。また、事件のご依頼については、山陰地方の方々が中心ですが、関西地方の方からもご依頼いただくこともあります。今後は、「わざわざ島根の弁護士に頼みたい」と思っていただけるようなサービスを提供していけるよう研鑽を深めていきたいと思います。

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 高校野球の話に戻ります。
これだけ大阪をはじめとする関西からの野球留学が盛んになると、肝心の地元大阪の野球が弱体化してしまいます。
 大阪の高校野球も10年程前は低迷していました。そのような状況を打破したのが大阪桐蔭です。
 同校の西谷浩一監督は、「強い強い大阪の野球を復活させたい」と目標を掲げ、2008年の夏の甲子園では、西武の浅村遊撃手らを擁し17年ぶりの全国制覇を達成され、昨年はご存じのとおり、タイガースの「サンデー晋ちゃん」こと藤浪投手を擁して甲子園での春夏連覇を達成されました。しかも決勝の相手は春夏ともに、「大阪からの野球留学生」がたくさんいる青森の光星学院でした。桐蔭を応援しつつも、同じく大阪からの「(弁護士)留学生」である私からは、光星が桐蔭に歯が立たず、複雑でした(大阪から地方に行っても全国でこれだけやれるということは、私にとっては励みになりましたけど)。

この西谷監督、これだけ強かったら偉そうにしているのかと思いきや、試合後の勝利監督インタビューをみていると、本当に謙虚で冷静なんです。あの落ち着いた物腰低い口調は、まさに、

「謙虚にして驕らず」ということばがピッタリと当てはまるのです。

 私は、西谷監督のインタビューを毎試合ビデオで録画して、何度も見返しております。西谷監督の「謙虚にして驕らず」という姿勢を自分に染み込ませるためです。
  何度も全国のトップに立たれているのにこの謙虚さ。勝って兜の尾を締めよということでしょうか。大阪で一番になり全国のトップになる人は本当に凄いと感じさせられます。

 私も、井の中の蛙にならず、「謙虚にして驕らず」という姿勢を常に忘れずに持ち続けたいと思います。

謙虚にして驕らず