スポーツ法学会@早稲田大学に出席しました

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12月17日は、早稲田大学にて日本スポーツ法学会の第19回大会が開催され、私も出席してきました。
 スポーツ法学会には、私は弁護士1年目から入会しており、年末に開催される大会には、出来るだけ毎年出席させていただいております。夏季研修にも可能な時は出席し、スポーツ法について勉強させていただいております。

大会は、まず午前中は自由研究発表でした。大学教授から弁護士まで色々な方が一年間の研究成果などを発表されますので、勉強になりますし、興味深い話が多いです。
 今年の発表で私が興味深かったのは、ある弁護士さんによる、ラグビーのジュディシャルパネル制度の紹介でした。
この制度は、現在日本ではトップリーグの試合でのみ実施されていて、試合中にレッドカードもしくはレッドカード相当の不正行為があった場合、ジュディシャルオフィサーと呼ばれる法律の専門家を中心とするパネルが、ビデオ検証や、プレーヤや関係者からのヒアリングなどの証拠に基づいて違反事実の有無を認定し、出場停止など最終的な処分を決定するというものです。
証拠に基づく事実認定を行い、裁判手続類似の手続を行うことにより、処分の適正と選手の権利保障を図ろうとするものです。スポーツ界にも徐々に法の支配が浸透してきていることの一例といえるでしょう。
 また、京都成章高校ラグビー部の練習中に重大な障害を負った方からの発表がありました。ラグビーというスポーツを愛し、これからもっとラグビーを振興させたいというその方の熱い気持ちが伝わってきましたし、他方で、スポーツにおける事故をちょっとでも防止していくことに力になりたいという気持ちが伝わり、とてもいい発表でした。

午後からは、「スポーツ基本法制定と今後の課題」という演題で、筑波大学の斎藤健司教授による基調講演と、3名のパネラーによるパネルディスカッションが行われました。
東京オリンピック開催を控えその根拠法令として昭和36年に制定されたスポーツ振興法を全面的に改正するという形で、平成23年6月24日に、スポーツ基本法が制定されました。
このスポーツ基本法では、スポーツをする権利が憲法13条の幸福追求権の一つとして認められた点で画期的なものとなっております。これにより、プロやトップアマチュアだけでなく、障害者の方や一般の方々がスポーツをして楽しむことの大きな後盾になります。
また、スポーツ団体のガバナンスとコンプライアンスにも配慮した内容となっており、スポーツ団体内部においても法の支配を及ぼすことの一助になると思われます。もしかすると、世間を騒がせているあの騒動にもスポーツ基本法の精神が生かされる日がくるかもしれませんね。
今後の課題としては、スポーツ基本法は、抽象的な理念を掲げただけで留まっており、いわば憲法を定めたに留まっております。今後の具体的立法などの整備が待たれるところです。国民の権利としてのスポーツ権が定着するまでは大変な時間と苦労がかかることでしょう。

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早稲田大学の大隈講堂です。いつ見てもえらい立派ですね。

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早稲田大学の創始者大隈重信氏銅像です。

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今度は大隈講堂を背にした大隈氏の銅像です。
あまり、早稲田関連の写真を撮っていると、我が母校慶應義塾の諸先輩方に白い目で見られそうですね(笑)。
今度、慶應に行く機会があったらしっかりと福沢先生の銅像の写真を撮って来ます!

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こんな立て看板もありました。しかし、今回早稲田キャンパス内にあった立て看板はこれくらいでした。私が学生の頃は所狭しと立て看板がありましたが、最近の早稲田は変わってしまったのでしょうか。

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早稲田の地ビールもありました。
早稲田は商売上手ですね。

スポーツ法学会@早稲田大学に出席しました